GARMENT CARE · 2026.08.17 · 8 MIN
ニットの毛玉の取り方と、そもそも作らない方法
取るのは電動の毛玉取り器、防ぐのは摩擦を減らすこと
01
手で引っ張ると繊維ごと抜ける
02
同じニットを連続で着ない
03
裏返して洗濯ネットに入れる
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お気に入りのニットに毛玉ができて、一気に古びて見える。取っても取ってもまた出てくる。
毛玉は「取り方」を改善しても根本的には減りません。発生する仕組みを断つほうが効果が大きいためです。この記事では取り方と予防の両方を扱います。
結論:取るのは電動の毛玉取り器、防ぐのは摩擦を減らすこと
先に要点をまとめます。
| やること | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 取る | 電動毛玉取り器を平らな面で使う | 高い |
| 防ぐ① | 同じニットを連続で着ない | 高い |
| 防ぐ② | 裏返して洗濯ネットに入れる | 高い |
| 防ぐ③ | バッグの肩掛け位置を変える | 中 |
やってはいけないのは、手で引っ張ることです。 毛玉と一緒に繊維を引き抜くため、その箇所が薄くなり、次はもっと毛玉ができやすくなります。

毛玉ができる仕組み
毛玉は、繊維が摩擦で表面に抜け出し、それが絡まって玉になったものです。
つまり毛玉ができる条件は2つです。
- 繊維が抜け出しやすい(短い繊維、甘い撚り、ローゲージ)
- 摩擦が繰り返しかかる(脇、袖口、バッグが当たる肩)
毛玉が同じ場所にできるのは偶然ではありません。摩擦が集中している箇所だからです。
できやすい素材・できにくい素材
| できやすい | できにくい |
|---|---|
| アクリル、ポリエステル混 | 上質なウール、カシミヤ(長い繊維) |
| 短い繊維を使ったウール | 綿、リネン |
| ローゲージ(目の粗い編み) | ハイゲージ(目の詰まった編み) |
化学繊維は毛玉ができやすいうえ、繊維が丈夫なので玉が落ちません。 天然素材の毛玉は着用中に自然に取れることがありますが、アクリルは残り続けます。
生地を傷めない取り方
電動の毛玉取り器(最も安全で早い)
- ニットを平らな場所に広げる(手に持ったまま当てない)
- 生地を軽く張った状態にする
- 毛玉取り器を軽く滑らせる。押し付けない
- 同じ場所を往復しすぎない
手に持って作業すると、生地がたわんだ部分を巻き込んで穴が開きます。平らに置くだけで事故はほぼ防げます。
ハサミ(少量のとき)
毛玉の根元を、生地を引っ張らずに切ります。時間はかかりますが、生地への負担は最小です。
使わないほうがよいもの
| 方法 | 理由 |
|---|---|
| 手で引きちぎる | 繊維ごと抜け、その箇所が薄くなる |
| カミソリ | 力加減が難しく、穴が開きやすい |
| ガムテープ類 | 毛玉は取れず、粘着剤が残ることがある |
毛玉を作らない方法
こちらが本題です。取る作業を減らすほうが、結果としてニットは長持ちします。
1. 同じニットを連続で着ない
繊維は摩擦を受けた後、時間をかけて元に戻ろうとします。1日着たら1〜2日休ませると、毛玉の発生が目に見えて減ります。
ニットを3枚持って回すほうが、1枚を毎日着るより結果的に長く着られます。枚数を減らしすぎると、かえって傷みが早まる点は注意が必要です。
2. 洗濯は裏返してネットに入れる
洗濯機の中で他の衣類と擦れること。これが摩擦の大きな発生源です。
- 裏返す(表面の摩擦を減らす)
- 洗濯ネットに畳んで入れる(丸めて入れると意味が薄い)
- 手洗いコース、または弱水流を選ぶ
- 洗濯表示を必ず確認する
3. 摩擦のかかる位置を変える
バッグを毎回同じ肩にかけていると、その一点だけに毛玉が集中します。かける肩を替える、リュックにする、といった対応で分散できます。
4. 収納時に畳む
ニットをハンガーにかけると、自重で肩が伸びます。伸びた箇所は繊維が緩み、摩擦に弱くなります。畳んで収納するほうが形も保てます。
畳むときは、詰め込みすぎないことも大切です。棚の中で圧縮された状態が続くと、出し入れのたびに隣の衣類と擦れます。手が入る程度の余裕を残しておくと、取り出すときの摩擦も減らせます。防虫剤を使う場合は、直接生地に触れない位置に置いてください。
よくある質問
Q. 毛玉取り器は電動と手動どちらがいいですか
枚数が多いなら電動です。手動のブラシタイプは生地に優しい反面、時間がかかり、力の入れ方が一定にならず結局ムラが出ます。
電動を選ぶ場合、刃と生地の間隔を調整できるもののほうが失敗しにくくなります。ローゲージの粗い編みには間隔を広く、ハイゲージには狭く合わせられるためです。
Q. カシミヤにも毛玉取り器を使っていいですか
使えますが、より慎重に扱ってください。カシミヤは繊維が細く、押し付けると簡単に薄くなります。
- 平らに広げる(必須)
- 刃の間隔を最も広い設定にする
- 一度で取り切ろうとせず、数回に分ける
量が少なければハサミのほうが安全です。
Q. 洗うと毛玉が増える気がします
摩擦が原因なので、洗い方次第では実際に増えます。裏返さずに丸めて洗濯機に入れると、他の衣類と直接擦れます。
また、乾燥機は毛玉の大きな発生源です。ニットは平干しが基本で、乾燥機は避けてください。縮みの原因にもなり、繊維が絡み合ってしまうと元には戻りません。
Q. 新品なのに毛玉ができました
短い繊維を多く含む素材では起こりえます。着用の初期は繊維が抜け出しやすく、しばらく着ると落ち着くこともあります。
ただし数回の着用で全面に発生する場合は、洗濯表示と購入時期を控えて販売元に相談してください。
素材別の扱い方の目安
| 素材 | 毛玉の出やすさ | 扱い方 |
|---|---|---|
| カシミヤ | 中 | 平らに置いて弱く。休ませる日を必ず作る |
| ウール(ハイゲージ) | 低〜中 | 通常の手順で問題ない |
| ウール(ローゲージ) | 高 | 刃の間隔を広く。ハサミ併用が安全 |
| アクリル・化繊混 | 高 | 玉が落ちないので早めに取る |
| 綿・リネン | 低 | ほぼ気にしなくてよい |
購入時に素材表示を見る習慣をつけると、後の手間が変わります。 アクリル混の比率が高いものは、価格が抑えられる代わりに毛玉の手入れが前提になります。
注意点:毛玉ができること自体は欠陥ではない
毛玉は摩擦によって起きる現象であり、天然繊維でも起こります。「毛玉ができた=品質が悪い」とは限りません。
一方で、購入後すぐ・ほとんど着ていない段階で大量に発生する場合は、販売元に相談する余地があります。判断に迷うときは、洗濯表示と購入時期を控えたうえで問い合わせてください。
まとめ
- 毛玉は「繊維の抜け出し × 摩擦」で発生する
- 取るときは電動毛玉取り器を、平らに広げて軽く滑らせる
- 手で引きちぎる・カミソリはニットを傷める
- 連続着用を避けて休ませるのが最も効果が大きい
- 洗濯は裏返してネットに畳んで入れる
- ハンガーではなく畳んで収納する
まずは今持っているニットを、着用後に1日休ませるところから始めると違いが分かりやすいはずです。