GARMENT CARE · 2026.08.22 · 10 MIN
宅配クリーニングの保管が不安|責任と期限
不安は預けた間と戻った日に分かれる
01
保管中の事故は業者の責任
02
窓口は契約した1社だけ
03
賠償の権利には期限がある
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| サービス | 預けられる期間 | 料金の形 | 料金の目安(税込) | いつ返ってくるか | 申し込み |
|---|---|---|---|---|---|
| リナビス 10点前後をまとめて長く預けたい人向け | 最大12ヶ月(無料) | 点数パック | 10点14,900円 | 注文後にお届け希望日を自分で指定する | 見てみる |
| モクリン 少ない点数から試したい人向け | 最大10ヶ月(無料) | 点数パック | 7点13,200円 | 注文時に決めた月の上旬・下旬に届く(後から変更できない) | 見てみる |
| ポニークリーニング 仕上げのグレードを選びたい人向け | 最大9ヶ月(無料) | 点数パック × 3グレード | ライト7点13,090円 | 注文時に決めた時期に届く(変更は有償) | 見てみる |
料金は改定されます。金額を載せているのは公式サイトで実際に確認できたものだけです(2026-08-22時点)。最新の条件は各公式サイトで確認してください。 実測値の出典: リナビス 、モクリン 、ポニークリーニング
保管付きのプランを選んで、申し込みの画面で手が止まることがあります。数ヶ月ぶん、目の届かない場所へ服を置くことになるからです。
宅配クリーニングの保管が不安なのは、預けている間に何かあったとき誰がどう扱うのかが、事業者の説明だけでは見えないからです。答えは、事業者ごとの案内ではなく業界共通の賠償基準に書かれています。
結論:不安は「預けている間」と「返ってきた日」に分けると小さくなる

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会が公開しているクリーニング事故賠償基準を、2026年8月22日に取得して該当箇所を確認しました。以下で挙げる内容は、この基準の条文とその解説にあるものです。
この基準は、利用者から洗たく物を預かってから返すまでの間、配送中と保管中を含めてクリーニング業者に注意義務と賠償責任があるとしています。預けている数ヶ月は、責任の空白期間ではありません。
一方で、賠償を受けられる権利のほうには終わりがあります。受け取った日から6ヶ月を過ぎると、業者は賠償額の支払いを免れるとされています。異議なく受け取った旨の書面を出した場合も同じです。
不安の中身は、預けている数ヶ月ではなく、戻ってきた1日のほうに寄っています。 預けている間の責任は契約した業者にあり、利用する側の出番は受け取った日に確かめることだけになります。
この記事は、保管付きのプランを申し込む直前で止まっている場合に読む内容にしてあります。宅配クリーニングそのものが自分に向くかどうかを決めたい段階なら、宅配クリーニングが向く場面と向かない場面のほうが先です。自宅でしまう手順を知りたい場合は、コートの保管方法に工程を分けて置いています。
預けている間、服は誰の管理下にあるか

集荷に来た宅配業者へ袋を渡した時点で、服は手を離れます。ここから戻るまでのあいだに、少なくとも配送会社と保管する場所が挟まります。
責任の所在は、この経路の数だけ分かれるわけではありません。賠償基準は、宅配業者や保管業者、下請けの業者などに委託していても、賠償義務を負うのは利用者と契約したクリーニング業者だとしています。
さらに、保管過程や配送過程で起きた事故についても業者の支配が及ぶものとみなし、業務委託先の過失を業者自身の過失と同視するという解説が置かれています。
経路が長くなっても、責任を追う相手は増えません。 申し込んだ相手が1社なら、最後まで相手は1社のままです。
見えない場所に置かれること自体が不安の中身だとすると、その不安は「誰が持っているか分からない」ではなく「自分の目で見られない」に言い換わります。前者は賠償基準で埋まっていて、後者は受け取った日に埋めることになります。
保管中に起きた事故は、誰に言えばいいのか

戻ってきた服に穴や変色があったとき、まず迷うのは連絡先です。洗ったのはクリーニング店で、運んだのは配送会社で、置いていたのは倉庫という状況になります。
言う相手は、契約したクリーニング店です。賠償基準が委託先の過失を業者自身の過失と同視している以上、どの工程で起きたかを利用者が特定してから連絡する必要はありません。
動き方は4つです。
1つ目は、届いた日のうちに状態を残すことです。カバーを外して広げ、傷んでいる箇所と全体が分かる形で写します。日付が残る形にしておくと、あとの話が早く進みます。
2つ目は、契約したクリーニング店へ連絡することです。配送会社の伝票番号から問い合わせても、賠償の窓口はそちらにはありません。
3つ目は、現物を見てもらうことです。自分で洗い直したり、しみ抜きを別の店へ持ち込んだりすると、いつ起きた損傷かが分からなくなります。
4つ目は、期限を意識することです。次の章のとおり、権利は日数で消えていきます。連絡を先延ばしにする理由は、こちら側にはありません。
賠償を受けられる期間には終わりがある

賠償基準の第7条は、業者が賠償額の支払いを免れる場合を並べています。整理すると4つです。
| 区切り | いつ | どうなるか |
|---|---|---|
| 異議なく受け取った旨の書面を交付した | その時点 | 業者は賠償額の支払いを免れる |
| 利用者が受け取った日から | 6ヶ月を経過したとき | 業者は賠償額の支払いを免れる |
| 業者が洗たく物を受け取った日から | 1年を経過したとき | 業者は賠償額の支払いを免れる |
| 大規模自然災害で滅失・損傷した | その事故について | 民法の規定に基づき賠償を免れる |
3行目には続きがあります。特約による保管サービスの保管日数は、この1年に加算されるとされています。
ここが、長期の保管を選ぶときに効いてきます。12ヶ月あずける契約でも、預けている月数のぶんだけ期限が後ろへ動きます。 長く預けたせいで戻ってきたときには1年が過ぎていた、という形にはなりません。
4行目は、地震や豪雨災害のような大規模自然災害によって預かり品が滅失または損傷した場合です。この場合は民法の規定に基づき、業者は賠償を免れるとされています。ここだけは業者側の管理では埋まらない部分になります。
期限を短くしているのは日数であって、事故の理由ではありません。気づいた日に言えば、権利は残っています。 迷って数ヶ月置くと、理由のほうは変わらないまま権利だけが消えます。
受け取った日にサインする前に見る3か所

賠償基準は、事故がないことを確認して異議なく受け取った旨の書面を利用者が交付したとき、業者は賠償額の支払いを免れるとしています。書面を出す行為には、そういう効果が付いています。
だから、開封と確認と署名は、この順で行います。段ボールを開けて、カバーを外して広げ、それから書面を出します。順番を入れ替えると、見ていないものについて確認済みと伝えたことになります。
見る場所は3か所で足ります。
1か所目は、カバーを外した全体です。畳んだ状態やカバー越しでは、裾と背中側が見えません。ハンガーに掛けて、正面と背面を1回ずつ見ます。
2か所目は、襟と袖です。もともと汚れが集まる場所で、落ちきらなかった跡や、生地の当たりによるテカリが出やすい位置になります。左右の袖を並べて見ると、片方だけの変化に気づけます。白い服の変色が気になる場合は、白い服の黄ばみに原因ごとの見分けを置いています。
3か所目は、ポケットと下げ札です。ポケットに何か残っていないかと、洗濯表示の下げ札が付いたままになっていないかを見ます。
もう1つ、受け取りを先延ばしにしないほうがよい理由があります。賠償基準は、利用者が洗たく物を受け取らずに遅延している間に生じた変退色や虫食いを、業者の責任ではない損害として扱っています。戻ってきた服を玄関に置いたままにする期間は、どちらの側の責任でもなくなります。
戻したあとの置き方まで含めて整えるなら、衣替えをやりたくないときに、戻す時期と置き先の決め方をまとめてあります。
戻る金額は「あまり着ていない」では決まらない

賠償額は、購入時の値段がそのまま出るわけではありません。賠償基準は、補償割合を使用期間や使用頻度、保管状況などから定めるとしています。
計算に使う経過年数についても書かれています。購入した日から業者が洗たく物を引き受けた日までの月数で数え、着用せずに保管していた期間もこれに含まれるとされています。
数え方の起点は買った日で、終点は業者が引き受けた日です。預けている数ヶ月がここに足されるわけではありません。効いてくるのは、出すまでにその服を持っていた月数のほうです。
クローゼットで眠っていた期間も月数に入ります。あまり着ていないから新品に近い金額が戻るはず、という見当は外れます。
条件で分けると2つになります。
- 何年も前に買ったまま着ていない高額な1着なら、出す前に何年ぶんの月数になるかを数えておく。戻る額の見当が先に立つ
- 買って間もない1着なら、経過年数の側は短いままです。見るのは月数より、受け取った日に自分で確かめられるかどうか
買い替えの時期そのものを迷っている1着なら、預ける前に判断が済むこともあります。判断の材料はコートの買い替えは何年かにまとめました。出す点数を先に減らす方向で考える場合は、クリーニング代が高いと感じたときに線引きを置いています。
保管の条件で選ぶなら
保管付きのプランは、どこも同じ条件ではありません。この記事に添えた比較表は、宅配クリーニング3社について、料金の形と保管できる月数を2026年8月20日に実測したものです。
リナビスは10点14,900円の点数パックで、保管は12ヶ月無料とされています。モクリンは7点13,200円のパックで、保管は最大10ヶ月無料です。ポニークリーニングは単品ごとの料金で、保管については別のサービスへの案内になります。
見る順番は、点数と月数です。預ける服が何点あるかでパックの段が決まり、次の衣替えまでに何ヶ月あるかで月数の段が決まります。料金の安さから入ると、点数が合わずに段を上げ直すことになります。
出す頻度そのものを決めかねている場合は、スーツのクリーニング頻度に、季節と着方から決める考え方を置いています。
よくある質問
Q. 保管中に服が傷んでいたら、誰に言えばよいですか
契約したクリーニング店です。クリーニング事故賠償基準は、宅配業者や保管業者、下請けの業者などに委託していても、賠償義務を負うのは利用者と契約したクリーニング業者だとしています。
保管過程や配送過程で起きた事故についても、業務委託先の過失を業者自身の過失と同視するという解説が置かれています。どの工程で起きたかを自分で特定してから連絡する必要はありません。
Q. 配送の途中で起きた事故も対象になりますか
対象になります。賠償基準は、利用者から洗たく物を預かってから返すまでの間、配送中と保管中を含めてクリーニング業者に注意義務と賠償責任があるとしています。
集荷に来た宅配業者へ渡した時点で責任が移るわけではありません。窓口も配送会社ではなく、申し込んだクリーニング店になります。
Q. 賠償を受けられる期限はいつまでですか
受け取った日から6ヶ月を経過すると、業者は賠償額の支払いを免れるとされています。業者が洗たく物を受け取った日から1年を経過した場合も同じです。
このほかに、事故がないことを確認して異議なく受け取った旨の書面を交付したときにも、支払いを免れるとされています。書面を出す前に中身を見る理由がここにあります。
Q. 長く預けると、1年の期限が先に来てしまいませんか
来ません。賠償基準は、特約による保管サービスの保管日数を1年に加算するとしています。預けている月数のぶんだけ、期限は後ろへ動きます。
保管の月数が長いプランを選んだせいで、期限の側で不利になる形にはなりません。月数と関係なく効いてくるのは、次の質問にある賠償額の計算のほうです。
Q. 高い服は預けないほうがよいですか
預けてはいけないということではなく、いくら戻る計算になるかを先に知っておく話になります。賠償基準は、賠償額の算定に使う経過年数を購入日から引き受け日までの月数で数え、着用せずに保管していた期間も含めるとしています。
買った日から何年たっているかで、戻る額の見当は先に立ちます。数えたうえで、その額では困ると感じる1着なら、預ける点数から外す判断もできます。
Q. 地震や豪雨で預けた服がだめになった場合はどうなりますか
賠償基準は、地震や豪雨災害等の大規模自然災害によって預かり品が滅失または損傷した場合、業者は民法の規定に基づき賠償を免れるとしています。
ここは業者側の管理では埋まらない部分です。不安がこの一点に集まる場合は、預ける点数を分けるか、保管の月数を短くする方向で調整することになります。
Q. 受け取った日に、どこを見ればよいですか
カバーを外した全体、襟と袖、ポケットと下げ札の3か所です。畳んだ状態やカバー越しでは、裾と背中側が見えません。
見てから、受け取りの書面を出します。順番を入れ替えると、見ていないものについて確認済みと伝えたことになります。
まとめ
- 預かってから返すまでの間、配送中と保管中を含めて業者に注意義務と賠償責任がある
- 宅配業者や保管業者に委託していても、賠償義務を負うのは契約したクリーニング業者
- 保管過程や配送過程の事故は、委託先の過失も業者自身の過失と同視される
- 異議なく受け取った旨の書面を交付すると、業者は賠償額の支払いを免れる
- 受け取った日から6ヶ月、業者が受け取った日から1年で、支払いを免れる
- 特約による保管サービスの保管日数は、この1年に加算される
- 大規模自然災害による滅失・損傷は、民法の規定に基づき賠償を免れる
- 賠償額の経過年数には、着用せず保管していた期間も含まれる
申し込む前にやることは1つだけです。戻ってくる時期を先に決めて、その日に服を広げて見る時間を空けておいてください。
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参考・出典