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GARMENT CARE · 2026.08.23 · 9 MIN

ニットの穴を補修する|種類で直し方が決まる


SUMMARYこの記事でわかること READ 9 MIN

直し方は穴の開き方で決まる

01

引っかけは糸を戻す

02

小さな穴は糸で埋める

03

虫食いは原因を先に止める

結論 小さいうちほど小さく直せる

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条件別の選び方

穴を見て、家で直すか出すかを決めるための材料です。

  1. 穴が1センチ未満で、脇や裾など目立たない場所にある

    太めの糸で編まれたニットなら、同じ色の糸を縦横に渡して埋めれば表から沈みます。先の丸いとじ針と糸だけで足ります

  2. 穴の形が不規則で、同じ引き出しの他の服にも小さな穴がある

    ピレパラアース 1年用(無臭タイプ・48個)

    虫食いが疑われる状態です。収納を空けて毛くずを掃除し、閉めきれる状態にしてから防虫剤を入れ替えると、次の穴が出にくくなります

  3. 来季まで着ないニットが何着もあり、収納に余裕がない

    不織布の衣類カバー(20枚・日本製)

    通気性のあるカバーで一枚ずつ分けると、ほこりと擦れを避けながらしまえます。取り出すときに何が入っているかも分かります

  4. 穴が1センチを超える、胸元にある、カシミヤや細い糸で編まれている

    補修した面が表から見えるため、専門店の領域になります。費用は現物を見てからの案内になり、先に金額は決まりません

袖を通そうとしたら、脇の下に小さな穴が開いていた。捨てるほどではないけれど、このまま着るのは気が引ける。

ニットの穴は、開いた理由で直し方が変わります。この記事は、家にある針と糸で小さな穴を目立たなく閉じるところまでを扱います。

穴が1センチを超えている、胸元など目に入る場所にある、カシミヤや細い糸で編まれている、失敗したくない一着。このどれかに当てはまるなら、後半の早見表から先に読んでください。なお、シャツやデニムのような織物の穴は、編み地とは構造が違うためこの記事では扱いません。

結論:穴の開き方で直し方が決まる

ニットの穴は引っかけなら糸を戻す、小さな穴は同じ色の糸で埋める、虫食いなら原因を先に止めるというように開き方ごとに直し方が決まり、小さいうちほど小さく直せることを示した図
直し方から選ばず、穴の見た目から選ぶと迷いません。

ニットの穴は、引っかけ・擦り切れ・虫食いのどれに当たるかで、使う方法と自分で直せる限界が決まります。

引っかけは糸が切れていないので、裏から編み目をたどって元の位置へ戻します。擦り切れと小さな穴は、同じ色の糸を縦横に渡して埋めます。虫食いは、直す作業に入る前に収納の中を見ます。

早く手を付けるほど小さく直せます。編み地はループが連なってできているため、切れた場所から目が落ちて広がることがあります。

穴の種類を見分ける

ニットの穴を引っかけ・擦り切れ・虫食いの3種類に見分ける図。引っかけは糸が切れず輪が飛び出し、擦り切れはひじや脇のまわりが薄くなって開き、虫食いは形が不規則で1着に複数あり糸くずや脱皮殻が残る
見分けが付けば、使う方法はひとつに決まります。

見分けの決め手は、糸が切れているかどうかです。

引っかけ|糸は切れていない

編み目から糸が引き出されて、輪になって飛び出している状態です。バッグの金具や机の角に触れたときに起きます。

糸が残っているので、材料を足さずに直せます。ここに入る穴が、いちばん元へ戻しやすい状態です。

擦り切れ|まわりの生地が薄い

ひじ、脇、袖口といった、こすれ続ける場所に出ます。穴そのものより先に、周りが薄く透けて見えるのが特徴です。

薄くなった面が力に耐えられなくなって開くため、穴だけを閉じても隣がまた切れます。穴より一回り広い範囲を埋めて、厚みを戻す形になります。

虫食い|形が不規則で、複数ある

丸くも直線でもない不規則な形で、1着に2か所も3か所も出ます。周りに糸くずや、白っぽい殻のようなものが残っていることがあります。

さいたま市健康科学研究センターは、衣類や乾燥食品を食べる甲虫としてカツオブシムシ類を挙げ、動物性の繊維である毛織の衣類やじゅうたんを好む種類がいると説明しています。幼虫の大きさは、ヒメマルカツオブシムシで成熟して4ミリほど、ヒメカツオブシムシで9ミリほどです。幼虫や成虫が家の中で越冬するため、たんすの中や長くしまっていたものから幼虫や脱皮殻が見つかることがあるとも書かれています。

このタイプだけは、直す作業が後回しになります。理由は後半で扱います。

自分で直す手順(針と同じ色の糸)

ニットの穴を自分で直す手順。先の丸いとじ針と同じ色の糸を用意し、引っかけは裏から糸を隣の編み目へ散らし、小さな穴は縁をかがり、開いた穴は縦糸を渡してから横糸を交互に通し、最後に蒸気を浮かせて当てて馴染ませる
閉じるのではなく、埋めると考えると失敗しません。

用意するものは3つです。先の丸いとじ針、同じ色の細い糸、裏から支える丸いものです。

先がとがった針は編み糸を割ってしまうため、毛糸用の丸い針を選びます。糸は、ニットの裾裏に共糸が付いていればそれが最も沈みます。無ければ刺繍糸か細い毛糸から選びます。裏に当てる丸いものは、専用の道具でなくても、おたまの背やコップの底で代わりになります。

色は完全に一致しなくて構いません。明るさが近ければ遠目には沈みます。合う色が無いときは、少し暗い側を選びます。明るい糸は光を返して浮くためです。

1. 引っかけは、糸を隣へ散らす

裏側から、引き出された糸をたどります。とじ針の先で、余った糸を隣の編み目へ少しずつ送ります。

1か所で全部を吸収させず、左右3目から4目に分けて散らすと、表のつれが消えます。糸が長く飛び出しているときも、切らずに送ってください。切ると、そこから目が落ちます。

2. 小さな穴は、縁をかがって寄せる

穴の縁を1目ずつすくい、向かい側へ糸を渡します。ここで糸を締めると穴は閉じますが、周りが引きつれます。糸は置くだけにしてください。

毛糸は玉止めをすると硬い粒になって表から分かるため、作りません。最後に裏側で糸端を編み目に3センチほど通して始末します。

3. 開いた穴は、縦横に糸を渡して埋める

穴より一回り広い範囲に、まず縦の糸を平行に渡します。次に、その縦糸を1本ずつ交互にくぐらせながら横糸を通します。

布を織るのと同じ動きで、穴の上に小さな面ができます。ダーニングと呼ばれる方法で、薄くなった面の補強にも使えます。

4. 蒸気をあてて馴染ませる

仕上げにアイロンを浮かせ、蒸気だけを当てます。糸が落ち着いて、補修した面が周りと同じ高さに近づきます。

アイロンの面を押し当てると編み地がつぶれて光ります。ウールに熱と圧力と水分が同時にかかると繊維が絡んで戻らなくなるため、浮かせたまま当ててください。

先に確かめること — 糸を引いて穴を寄せると、その場は閉じます。ただし編み地は伸びる素材なので、着るたびに引いた場所へ力が集まり、周りがつれて穴より目立つ跡が残ります。閉じるのではなく、埋めると考えてください。

自分で直せる穴と、お直しに出す穴

ニットの穴を自分で直すか専門店に出すかを、大きさ・場所・編み地・素材・数・気持ちの6項目で分けた表。1センチ未満で脇や裾にある太い糸のウールなら家で直し、1センチ以上で胸元にある細い糸のカシミヤは出す
ひとつでも右に寄るなら、出したほうが結果は良くなります。

境目は、穴の大きさと場所と編み地の細かさで決まります。

見るところ家で直すお直しに出す
穴の大きさ1センチ未満1センチ以上
開いた場所脇・裾・裏側胸元・前身頃
編み地の細かさ太い糸でざっくり細い糸で薄手
素材ウール・綿カシミヤ・シルク
穴の数1〜2か所広い範囲に複数
失敗したときの気持ちそれでも着られる着られなくなる

細い糸で編まれたものほど、補修した面の目が周りと合わず、直したことが分かります。カシミヤのニットで胸元に穴が開いた場合は、出したほうが結果は良くなります。

費用は先に決まりません。ニット工場のアフターケアを案内しているSAIFUKUは、送料を負担して工場へ送ったあと、状態を確認して補修費を案内すると書いています。マジックミシンも、掲載している料金は参考価格で、利用する店舗と状態によって変わると明記しています。金額を知りたいときは、公式ページで確認するか、現物を見てもらうところから始まります。

どの店に出すかの選び方は、この記事では扱いません。

直さず隠す(ワッペン・刺繍)

ニットの穴を直さずに隠す3つの方法。ワッペンは広い擦り切れやひじひざに向き、刺繍は小さな穴をふさぐのに向き、補修シートは裏から当てて表から糸で留めると持つ
伸びる生地には、伸びに付いていく留め方を選びます。

直すより隠すほうが早い場面があります。擦り切れて広がった面、ひじやひざ、子ども服です。

ワッペンは、穴より大きい面を覆えます。ひじとひざは元から当て布が似合う場所なので、隠しても不自然になりません。刺繍は小さな穴に向いていて、穴の上に点や小さな図を刺して面を作ります。

ここで気をつけるのは、ニットが伸びる生地だという点です。アイロンで貼る補修シートだけで留めると、着るたびの伸び縮みに追いつかず、端から浮いて剥がれます。裏から当て布を添えたうえで、表から糸で数か所を留めると持ちます。

穴と一緒に毛玉が広がって古びて見える状態なら、隠す前に毛玉を取ったほうが、直した面が沈みます。

虫食いなら、直す前に原因を止める

虫食いの再発を止める3手順。同じ引き出しの服を全部出して糸くずや脱皮殻を探し、汗じみと食べこぼしを落として完全に乾かしてからしまい、引き出しを閉めきった状態で防虫剤を使う
直しただけで終えると、次の穴が同じ場所から出ます。

虫食いの穴を直しても、原因が収納の中に残っていれば次の穴が開きます。順番は、原因を止めてから直すです。

1. 同じ場所の服を全部見る

1着に穴が見つかったら、同じ引き出しや同じ棚に入っているウール製品を全部出します。糸くず、白っぽい殻、粉のようなものが残っていないかを見ます。

さいたま市健康科学研究センターは、たんすや押し入れにたまった毛くずもエサになりやすいため、定期的に清掃するよう挙げています。服を戻す前に、引き出しの中も拭いておきます。脱いだ日に洋服ブラシで毛を払う習慣があると、たまる量そのものが減ります。

2. 洗ってからしまう

同センターは、食べ物や汗などが付着した衣類は食べられやすいため、長期間保管する前にきれいに洗濯するよう挙げています。汚れが残った服から先に穴が開くという順番になります。

洗ったら完全に乾かします。ウールを自宅で洗うなら中性で蛍光剤の入っていない洗剤が向きます。ときどき虫干しをするのも、同センターが挙げている予防のひとつです。

3. 閉めきった状態で防虫剤を使う

エステーは自社の解説ページで、防虫剤は成分を空間に広げて効かせるため、密閉状態を保つのが効果的に使うコツだと説明しています。防虫剤メーカー自身による発信ですが、成分の性質としては筋が通ります。引き出しや扉を開けたままでは、成分がその場に留まりません。

同社は、詰め込みすぎると成分が行き渡らないため、収納スペースに対して8割を目安にするとも書いています。

先に確かめること — 防虫剤は種類を混ぜると衣類にシミや変色が出ることがあります。エステーの解説によれば、無臭のピレスロイド系(エンペントリン、プロフルトリン、フェノトリンなど)は他の薬剤と併用できます。一方、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、しょうのうを使った有臭タイプ同士は、影響し合って溶け、衣類のシミや変色の原因になることがあります。前に入れた分が残っているときは、古いほうを全部出してから新しいものを入れてください。

4. 長期間しまうなら、預ける手もある

来季まで着ないニットが何着もあるなら、洗ったうえで保管まで引き受けるサービスがあります。自宅の収納が空き、湿気と温度が管理された場所へ移ります。預ける前に責任の範囲と期限を見ておくと、返ってきた日に困りません。

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今日できるのは、引き出しを閉めきれる状態にして、防虫剤を入れ替えるところまでです。衣替えを全部やらない線引きと組み合わせると、手を付ける枚数が減ります。

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よくある質問

Q. ニットの穴は放っておくと広がりますか

広がることがあります。編み地はループが連なる構造で、切れた場所から目が落ちていきます。

マジックミシンも、ニットのほつれや穴は広がりやすいため、自分で引っ張ったり切ったりせず持ち込むよう案内しています。小さいうちに止めるほど、補修した面も小さく済みます。

Q. 同じ色の糸が手元にないときはどうすればいいですか

ニットの裾裏や脇の裏に、共糸が付いていることがあります。無ければ刺繍糸か細い毛糸から選びます。

迷ったときは、少し暗い側の色にしてください。明るい糸は光を返して浮きますが、暗い糸は影と見分けが付かなくなります。

Q. カシミヤやハイゲージのニットも自分で直せますか

物理的には同じ手順で直せます。ただし糸が細いほど補修した面の目が周りと合わず、直した跡が分かります。

目に入らない場所の小さな穴なら手を付けてよく、胸元や袖口なら出したほうが結果は良くなります。

Q. 虫食いかどうかはどう見分けますか

形が不規則で、1着に複数あるときは虫食いを疑います。糸くずや白っぽい脱皮殻が残っていれば、その線が濃くなります。

さいたま市健康科学研究センターによれば、カツオブシムシ類の幼虫は成熟して4ミリから9ミリほどで、たんすの中から幼虫や脱皮殻が見つかることがあります。まず同じ収納の他の服を確認してください。

Q. シャツやデニムの穴も同じ方法で直せますか

この記事の手順は編み地を前提にしているため、織物には当てはまりません。織物は糸が縦横に組まれた構造で、伸び方も広がり方も違います。

Q. 直したあとは普通に洗えますか

洗濯表示の範囲であれば洗えます。消費者庁が公開している洗濯表示は、回復できない損傷を起こさない最も厳しい処理を示す記号です。

補修した面は周りより厚みがあるため、洗濯機で強くこすると縁が浮くことがあります。手洗いか、洗濯ネットに入れて弱い水流を選ぶと持ちます。

まとめ

  • ニットの穴は引っかけ・擦り切れ・虫食いのどれに当たるかで直し方が決まる
  • 見分けの決め手は、糸が切れているかどうか
  • 引っかけは切らずに、裏から左右3目から4目へ糸を散らす
  • 小さな穴と擦り切れは、同じ色の糸を縦横に渡して埋める
  • 糸を引いて寄せると、周りがつれて穴より目立つ跡になる
  • 1センチ以上、胸元、細い糸、失敗したくない一着は、お直しに出す側
  • 費用は先に決まらず、現物を見てからの案内になる
  • 虫食いは、直す前に同じ収納の服を見て、洗って、閉めきってからしまう

まずは穴を明るいところで見て、糸が切れているかどうかだけ確かめてください。そこで直し方がひとつに決まります。

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参考・出典

ニットの穴を補修する|種類で直し方が決まる|直し方は穴の開き方で決まる
PRピレパラアース 1年用(無臭タイプ・48個)公式サイト