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GARMENT CARE · 2026.08.26 · 10 MIN

服についたファンデーションの落とし方|2段階で外す


SUMMARYこの記事でわかること READ 10 MIN

ファンデーションは粉と油。油を先に外す

01

色の正体は酸化チタンなどの顔料

02

油が表面を覆って水を寄せつけない

03

油を外してから色を処理する

結論 一手では終わらない汚れ

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条件別の選び方

ファンデーションは粉と油の2つでできています。どちらを先に外すかで、同じ手順でも結果が変わります。

  1. 油を外したあと、うっすら残った色みを家で処理したい

    オキシクリーン(酸素系漂白剤)

    酸素系漂白剤は色柄物にも使えます。ただし東京都クリーニング生活衛生同業組合は「40℃以上のお湯を使わなければほとんど効果が出ない」としているので、水温が条件になります

  2. 色柄物やウール混で、色を動かしたくない

    エマール(おしゃれ着用の中性洗剤・2,600ml)

    中性洗剤は比較的洗浄力よりも色落ちや風合変化を防止する力が優れていると同組合が説明しています。油を外す前処理までを中性で済ませる形になります

  3. スーツやジャケットなど、自分で洗えない服に付いた

    ポニークリーニング

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  4. 何点かまとめて出して、そのまま預けたい

    リナビス

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  5. パウダーファンデーションが付いて、まだ粉のまま乗っている

    先に払い落とすほうが早く終わります。水を当てると油と混ざって繊維の内側へ入ります

  6. 付いてから1か月以上たって、色が繊維に入り込んでいる

    同組合はこの段階を「変色」と呼び、専門性の高い技術が必要になると書いています。家で回数を重ねるほど生地だけが減ります

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着替えるときに襟の内側へ肌色が付いた、脱いだニットの首まわりに線が残っている。洗濯機に入れたのに、うっすらとした肌色が消えないという状態です。

ファンデーションが落ちにくいのは、汚れが強いからではありません。ファンデーションは粉と油の両方でできていて、そのうち油のほうが水では動きにくいためです。順番が分かると、どこから手を付けるかも、どこでやめるかも決まります。

結論:ファンデーションは粉と油の2つでできている

服に付いたファンデーションの落とし方が決まらないのは、性質の違うものが同時に付いているからです。粉と油を1回の処理でまとめて外そうとすると、どちらも中途半端に残ります。

服に付いたファンデーションは油が繊維の表面を覆い、その内側に色を作る顔料が抱え込まれているため、水と洗剤だけでは顔料まで届かないことを示した図
洗っても肌色がうっすら残るのはこのため。先に油を外す工程が要る。

資生堂は、ファンデーションについて「主には粉末(パウダー)と油(オイル)からできていて、そこに保湿成分も配合されています」と説明しています。粉は肌の色ムラや凹凸をカバーし、油はしっとり感と肌へののびを作る役割だとしています。

色を作っているのは粉のほうです。日本化粧品工業会は、ファンデーションには「隠蔽力のある酸化チタンや酸化亜鉛などの白色顔料」を配合し、そこに「赤・黄・黒の酸化鉄などの有色顔料を加えて肌色に調整しています」と解説しています。

衣類に付いたあとの残り方は、この記事では次のように整理しています。出典が図にしている形ではなく、成分から読み替えた整理です。

ファンデーションが付く → 油が繊維の表面に残る
                      → 油と一緒に顔料も残る
                      → 水と洗剤だけでは顔料まで届きにくい

東京都クリーニング生活衛生同業組合は、染みの構造について「食べ物の染みの構造は、一般的に油溶性の汚れが表面を覆い、その内部に水溶性の汚れ、色素などが含まれている状態です」と書いています。同組合が図にしているのは食べ物の染みであって、ファンデーションについて述べた文ではありません。ファンデーションを同じ形で捉えているのは、記事側の読み替えです。

一方で、処置の順番は出典が直接書いています。同組合は染み抜きの工程を「油をとる薬品を使って油溶性の汚れを取り除いた後、水溶性の汚れ・色素を取り除いていきます」と説明しています。食べ物に限った記述ではなく、染みの状態になった衣類への処置として書かれているものです。

ファンデーションをこの工程に当てはめる根拠は、成分の側にあります。資生堂は粉と油からできていると書き、日本化粧品工業会は「メークアップ化粧品のように油性成分の多いものを落とすにはクレンジングを使います」として、油に溶かして落とすものだと説明しています。

家庭でやることも、この順番をなぞる形になります。先に油を外し、そのあとで残った色みを扱います。 順番を入れ替えると、薬剤が最初に触れる相手は色ではなく油のほうになります。

同じ「洗って落ちない」でも、ワイシャツの黄ばみは皮脂が酸化して色が付いたもので、汚れの層が1つです。ファンデーションは2つが重なっているため、片方だけの手順を当てても途中で止まります。

リキッドとパウダーで、最初にやることが変わる

ファンデーションの種類別の最初の一手。リキッドとクリームは乳化物で油が多いため油を外す工程から始め、パウダーは粉が主体のため水を当てる前に払い落とす
手元のファンデーションがどちらかで、最初にやることが入れ替わる。

手元のファンデーションがどちらかで、最初の一手が入れ替わります。

日本化粧品工業会は、乳化の技術について「乳液やクリームだけでなく、クリームタイプやリキッドタイプのファンデーションなどのメークアップ製品にも使われています」と解説しています。さらに、油が外側にある油中水型は「汗や水をはじき化粧持ちが良い」という特長が出るとしています。

肌の上で汗や水をはじくように作られているものが、繊維の上でだけ水で流れると考える理由はありません。リキッドとクリームは、油を外す工程から始まります。

パウダーは逆です。粉が主体で繊維の上に乗っている状態なので、水を当てる前に払い落とすほうが減らせます。ここで先に濡らすと、粉が油と一緒に繊維のすき間へ運ばれます。

種類最初の一手
リキッド・クリーム中性洗剤で油を囲んでから水へ移す
パウダー乾いたまま払い落としてから水を使う
クッション・練り状油を含むためリキッドと同じ扱いにする

判断がつかないときは、乾いたブラシで一度払ってから濡らす順にすれば、どちらでも損をしません。手持ちの洋服ブラシがある場合は、毛先を寝かせて一方向へ動かします。

第1段階:油を界面活性剤で囲んで水へ移す

ファンデーション汚れの第1段階の手順。粉を払い、裏に乾いた布を当て、中性洗剤を油になじませ、こすらず押して布へ移し、ぬるま湯で洗剤ごとすすぐ
界面活性剤は油汚れを取り囲み、水の中に小さな粒として分散させる。

油を外す仕組みは、肌を洗うときと同じです。日本化粧品工業会は石鹸による洗浄の過程について、油汚れを親油基で取り囲み「油汚れの表面は石鹸が取り囲んだまま水の中に小さな粒となって分散し、汚れをきれいに落とすことができます」と説明しています。

やることは5つです。

1. 乗っている粉を乾いたまま払う
2. シミの裏側に乾いた布を当てる
3. 中性洗剤を1滴、油の部分に指でなじませる
4. こすらず、上から押して裏の布へ移す
5. ぬるま湯で洗剤ごとすすぐ

3番目で使う洗剤は、台所用の中性洗剤かおしゃれ着用の中性洗剤です。同組合は中性洗剤について「比較的洗浄力よりも色落ちや風合変化を防止する力が優れています」と書いています。この段階の目的は色を抜くことではなく油を動かすことなので、洗浄力の高さは要りません。

4番目を守れるかで結果が変わります。こすると繊維が毛羽立ち、その面が汚れを抱えやすくなります。押して移す動きなら、油は下の布へ抜けていきます。

5番目を飛ばさないでください。洗剤が残ったまま次の工程へ進むと、繊維の上に界面活性剤と漂白剤が同時に乗ります。

第2段階:残った色みをお湯で処理する

ファンデーション汚れの第2段階の手順。洗濯表示を見て、色柄物は目立たない部分でテストし、40度以上のお湯に酸素系漂白剤を溶かし、20分から30分置いて、乾かしてから見る
酸素系漂白剤は40度以上のお湯でないとほとんど働かないと組合が明記している。

油を外すと、下から色みが出てきます。ここで初めて漂白剤の出番になります。

同組合は漂白剤を「化学的にシミや汚れの色素、または汚れ自体を分解する薬剤」と説明し、塩素系と酸素系に分けています。酸素系については「塩素系より漂白力は劣りますが」としたうえで、「色柄物の衣服でも衣服自体の色は残して、黄ばみや食べこぼしなど汚れだけを落ちやすくすることが出来ます」と書いています。

条件は水温です。同組合は「酸素系漂白剤は、40℃以上のお湯を使わなければほとんど効果が出ないと言っても過言ではありません」と明記しています。ぬるい水で20分置いても、時間が足りないのではなく温度が足りていない状態になります。

色柄物では、その前に確かめる工程が入ります。同組合は、湯に溶かした濃い目の液を目立たない部分につけて5分ほど置き「変色しているものや、変色していない場合でも白布をあててもんで色が移れば、漂白剤は使わないで下さい」と案内しています。

一度で消えなくても、同じ手順をもう一度行うほうが生地は残ります。強い薬剤に切り替えるより、温度と時間を揃えて繰り返すほうが確実です。

40度以上のお湯を使う前提なら、酸素系漂白剤を切らさずに置いておくと工程が止まりません。逆に、油をまだ外していない段階では用意しても出番がありません。

オキシクリーン(酸素系漂白剤)
公式サイトを見る

生地で変わる線引き

ファンデーション汚れの生地別の扱い。綿とポリエステルは2段階がそのまま使え、淡い色物は前処理までにして、ウール混は粉末の酸素系を避け、シルクとレーヨンはクリーニング店に相談する
粉末タイプの酸素系漂白剤はアルカリ性のため、動物性繊維には使えない。

同じ2段階でも、生地によって使える薬剤が変わります。

生地扱い
綿・麻2段階がそのまま使える
ポリエステル油を抱えやすい。第1段階を丁寧にする
淡い色物・プリント中性洗剤の前処理までにする
ウール混粉末の酸素系を使わない
シルク・レーヨン濡らす前にクリーニング店へ相談する

ウール混で気をつける理由は、粉末と液体で性質が違うためです。同組合は「粉末タイプは「アルカリ性」で液体タイプは「酸性」です」とした上で、粉末タイプは「絹・毛などの動物性繊維の製品」には使用できないと書いています。

温度も同じです。ウールが混ざっている表示があれば、40度以上のお湯という条件そのものが使えなくなります。無理にお湯へ入れてセーターが縮んで戻らなくなると、汚れとは別の問題が増えます。

家庭洗いの可否は素材ではなく洗濯表示が持っています。表示の見方は消費者庁が家庭用品品質表示法の中で定めています。

出先で付いたときに、家までの間にできること

出先でファンデーションが服に付いたときの3つの手。乾いた紙で粉を取り、水のおしぼりでこすらず、手を洗う石鹸を少量借りて油を囲む
油性の汚れは水に溶けにくいと組合が書いている。水だけの処置は効きにくい。

外出先でファンデーションが付くと、多くの場合まず水のおしぼりが手元にあります。ここが分かれ目です。

同組合は油性汚れについて「有機溶剤(ドライクリーニング)には溶けますが、水には溶け難いが大きなポイントです」と書いています。水だけで押しても油は動かず、動くのは表面に乗っていた粉だけになります。

できることは3つです。

  • 乾いた紙で、乗っている粉を持ち上げるように取る
  • 水だけのおしぼりでこすらない
  • 洗面所の石鹸を少量借りて、油の部分に軽くなじませてから水で流す

3つ目が使えるのは、石鹸も界面活性剤だからです。日本化粧品工業会は「石鹸も界面活性剤の一種です」と明記しています。ただし出先の処置は応急にすぎないので、帰宅後に第1段階からやり直してください。

急ぐ理由もあります。同組合はシミについて「時間が経つごとに繊維を悪化していきます」と書き、付いてから1週間から10日で繊維に入り込んだ状態になるとしています。その日のうちに始めるほうが、選べる手が多く残ります。

家で続けるか、店に出すかを決める

家で続けるか店に出すかの3つの分かれ目。同じ手順を2回試して色みが減らない、こすった面が毛羽立ってきた、洗濯表示が家庭洗いに対応していない場合は店へ回す
続けるほど落ちるわけではない。減っていくのは生地のほう。

ファンデーション汚れは、回数を足すほど落ちる汚れではありません。ある回数を超えると、色みは残ったまま生地だけが減っていきます。

手を止める合図は3つです。

  • 同じ2段階を2回試して、色みの量が変わっていない
  • こすった面が毛羽立って、白っぽく見えてきた
  • 洗濯表示に家庭洗いのマークがない

3つ目に当たる服では、そもそも水を当てる前に決める話になります。同組合はシミ抜きについて「出来るだけ自力で染み抜きをやろうとせず、すぐにクリーニング店へ相談に行くことをお勧めします」と書いています。スーツやジャケットのように裏地と芯地が入った服は、表地だけを濡らすと乾いたときに縮み方が変わります。

自分で洗うか出すかの分け方そのものは、クリーニング代が高いと感じたときの線引きと同じ考え方が使えます。1点だけ出したいのか、まとめて預けたいのかで向いている形が変わるので、宅配で出すときの向き不向きも先に見ておくと選びやすくなります。

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よくある質問

Q. 時間がたったファンデーション汚れでも落ちますか

薄くなることはありますが、元どおりになるとは考えないほうが安全です。

同組合は経過で状態を分けていて、付いた直後は通常のクリーニングで落とせる「汚れ」、1週間から10日で「染み」、1か月以上で「変色」になるとしています。変色の段階については、クリーニング店でもより専門性の高い技術が必要になると書いています。

家でやるなら、2段階を2回までと決めて試す形になります。変化がなければ回数ではなく出す先を変えてください。

Q. クレンジングオイルを服に使ってもいいですか

日本化粧品工業会はクレンジングを肌の洗浄料として説明していて、衣類用として案内しているわけではありません。同会はその働きを「基本的に「油性の成分を油に溶かして落とす」もの」としています。

原理そのものは油を外す第1段階と同じ方向ですが、衣類で使うと油を足す形になるため、そのあと界面活性剤で油ごと外す工程が必ず要ります。工程が1つ増えるので、最初から中性洗剤で油を囲むほうが短く終わります。

色柄物では、油が広がった範囲だけ風合いが変わることもあります。目立たない場所で確かめてから使ってください。

Q. 白い服なら塩素系漂白剤を使えますか

同組合は塩素系について「漂白力は強いですが色素を破壊する為、白物しか使用出来ず色柄物には使用出来ない弱点があります」と書いています。白物に限れば選択肢には入ります。

ただし第1段階を飛ばして塩素系に浸けても、薬剤が先に触れるのは残った油のほうです。落ちなかったからと濃度や時間を足すと、生地の側が先に傷みます。

順番は白物でも変わりません。油を外してから、色みに対して使うかどうかを決めてください。

Q. 洗濯機で普通に洗ってしまったあとでも間に合いますか

分かれ目は乾燥機に入れたかどうかです。

洗って干しただけなら、まだ第1段階からやり直せます。油は水では落ちにくいので、洗濯機を通しても繊維に残っていることが多くなります。

乾燥機で完全に乾かしたあとは、家庭でできる範囲を超えていることが多くなります。この段階からはクリーニング店に相談するほうが早く終わります。

Q. そもそも付かないようにする方法はありますか

服の側と、着る順番の側でできることがあります。

服の側では、首まわりが直接肌に触れる服を着る日にストールを1枚挟む形が確実です。着る順番の側では、ベースメイクを終えて肌が落ち着いてから服を着る、かぶりものではなく前開きの服を先に選ぶという整理ができます。

どちらも手間はかかりますが、付いてから2段階を繰り返す作業より短く済みます。

まとめ

  • ファンデーションは粉と油からできていて、色を作っているのは酸化チタンや酸化鉄などの顔料
  • 油が表面を覆っているため、水と洗剤だけでは内側の顔料まで届かない
  • 第1段階は中性洗剤で油を囲み、こすらず押して裏の布へ移す
  • 第2段階は40度以上のお湯に酸素系漂白剤を溶かして置く
  • リキッドは油から、パウダーは粉から始めると工程が短くなる
  • ウール混に粉末の酸素系は使えず、シルクは濡らす前に相談する
  • 2回試して変わらなければ、回数を足さずに出す先を変える

まずは手元のファンデーションがリキッドかパウダーかを1回だけ確かめてください。そこで最初の一手が決まります。

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参考・出典

服についたファンデーションの落とし方|2段階で外す|ファンデーションは粉と油。油を先に外す
PRオキシクリーン(酸素系漂白剤)公式サイト