GARMENT CARE · 2026.08.23 · 9 MIN
スニーカーは洗濯機で洗える|素材で決まる
洗えるかは素材で決まる
01
布と化繊だけが対象になる
02
革と起毛は水洗いを避ける
03
泥と小石は先に落とす
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洗面所でスニーカーを持ったまま、洗濯機のふたの前で手が止まることがあります。入れてしまえば早いのはわかっていて、それで駄目にした話も聞きます。
スニーカーを洗濯機で洗えるかどうかは、靴の種類ではなく素材で決まります。判定を先に済ませれば、あとの手順は迷わずに進みます。
結論:洗えるかは靴の種類ではなく素材で決まる

コンバースは、手入れの方法を素材ごとに分けて公開しています。キャンバスと繊維素材については、熱湯を避けて温水(40℃以下)か常温水でブラシを使い、軽く洗うようにと示しています。同じページには、洗濯機を使うと繊維組織を傷つけることがあるとも書かれています。
天然皮革と起毛皮革の扱いは、はっきり分かれます。どちらも水洗いすると皮革の縮みや変色、硬化が起きるため、水洗いは避けるようにとされています。布と化繊は洗える側、革と起毛は洗えない側に入ります。
洗濯機の側にも言い分があります。日立は、靴は重く洗濯槽の中で片寄が発生しやすいため、洗濯や脱水の途中で音が大きくなり、洗濯機や靴に傷が付くことがあると説明しています。そのうえで、洗濯機で靴を洗ったり乾かしたりすることは推奨していないとしています。
つまり「洗えるか」には2つの問いが重なっています。靴の側が耐えるか、洗濯機の側が耐えるかです。片方だけを見て決めると、もう片方を傷めます。
この記事が扱うのは、布と化繊のスニーカーを家庭の洗濯機で洗う場合です。革靴の手入れは革靴の手入れの頻度、濡らしてしまった革靴は革靴が雨で濡れたにまとめました。
素材別|洗濯機に入れてよいかを先に判定する

手に持っている1足がどこに入るかを、先に決めます。
| 素材 | 洗濯機 | 代わりにやること |
|---|---|---|
| キャンバス、綿の布 | 条件つきで入れてよい | 弱い水流でネットに入れる |
| メッシュ、化繊 | 条件つきで入れてよい | 装飾がなければ同じ扱い |
| 合成皮革、人工皮革 | 入れない | ブラシと湿らせた布で拭く |
| 天然皮革 | 入れない | 水洗いを避けてクリーナーで |
| 起毛皮革(スエード、ヌバック) | 入れない | ブラシで毛並みを整える |
| 装飾や接着が見えている靴 | 入れない | 手で洗うか店に出す |
「条件つき」と書いたのは、布と化繊であっても洗濯機が靴メーカーの勧める洗い方ではないからです。コンバースが示しているのは、ブラシを使って軽く洗う方法になります。洗濯機に入れるのは、そこから一段強い扱いです。
合成皮革を入れない理由は、水そのものよりも湿気にあります。コンバースは、合成皮革とウレタン底の製品が多湿の環境で経年変化を起こし、亀裂や剥離が生じる恐れがあると説明しています。この変化は使用頻度に関わらず起こる可能性があるとも書かれています。洗って湿ったまま置くのは、その条件をわざわざ作る形になります。
家電メーカーの側も、同じところに線を引いています。アクアは、洗濯機で洗えない靴として革靴、スパイク、ブーツ、ヒールのある靴、装飾のある靴、接着剤を使っている靴を挙げています。洗える側に置かれているのは、スニーカー(素材による)、スリッポン、上履き、布製の靴です。
靴底が割れている、底と本体が浮いているという1足なら、洗う前に見るところが変わります。判断の順序は靴の捨てどきにまとめました。
洗濯機の側の条件を先に確かめる

素材が洗える側だったとしても、そのまま入れる形にはなりません。日立が挙げている理由は3つに整理できます。
1つ目は片寄りです。靴は水を含むと重くなり、槽の中で偏ります。洗いと脱水の途中で音が大きくなり、槽と靴の両方に傷が付くことがあります。
2つ目は土と砂です。日立は、靴に土や砂が付いている場合は払い落とすか手洗いしてから入れるようにと示しています。土や砂は比重が重いため、洗濯槽にたまって故障の原因になります。泥が付いたまま入れると、傷むのは靴ではなく洗濯機のほうです。
3つ目は衣類との同居です。アクアは、靴を洗うときは靴だけにするよう示しています。袖やズボン、タオルのような細長いものが巻き付いて靴が型崩れし、硬い靴底が衣類を傷めることがあるためです。
自分の洗濯機が靴に対応しているかは、取扱説明書で確かめます。靴洗いのコースがある機種もあれば、洗えないものとして載せている機種もあります。ここは機種ごとに違うため、一般論では決まりません。
洗う手間そのものを外へ出す選び方はクリーニング代が高いと感じたらに整理しました。
入れる前に外すもの、落とすもの

洗濯機に入れる前の作業は4つです。ここを飛ばすと、上に書いた3つの理由がそのまま起きます。
1つ目は、ひもと中敷きを外すことです。付けたままだと洗剤が届かない部分が残り、汚れが落ちません。外した2つは別々に洗います。
2つ目は、靴底の泥と小石を落とすことです。水をかけながらブラシでこすります。泥の付き方がひどい日は、乾かしてからブラシで落とすほうが早く済みます。上から下へ払う動きは、服のブラッシングと同じです。考え方は洋服ブラシの使い方に整理しました。
3つ目は、ネットに入れることです。アクアは用意するものとして、ブラシ、弱アルカリ性の液体洗剤、サイズの合った洗濯ネットを挙げています。靴と、ひもや中敷きでは要る大きさが違うため、1枚では足りません。靴が折れずに入る大きさと、細かいものが泳がない小さめの2種類を用意します。
大きさ違いが1組で揃うものだと、その日のうちに始められます。用途の例ではなく、寸法で選んでください。
4つ目は、靴だけでまわすことです。洗濯物のついでにはしません。1足だけだと片寄りが強く出るため、左右をネットの中で向かい合わせに置くと収まります。
コースと洗剤の選び方

コースは、弱い水流のものを選びます。アクアは、ドライコースや弱水流コースなど優しく洗えるコースを挙げています。標準コースは布と化繊の靴には強すぎます。靴洗いのコースが付いている機種なら、それが第一の選択肢になります。
洗剤は、2つの言い分が分かれます。コンバースは中性洗剤を使うようにとしています。アクアは弱アルカリ性の液体洗剤を挙げています。分かれたときは、自分の靴のメーカーが示しているほうに寄せてください。 家電メーカーは靴一般を、靴メーカーはその靴を見て書いています。
漂白剤は避けます。コンバースは、漂白剤や漂白性の強い洗剤を使うと変色や褪色を起こす原因になるとしています。白いスニーカーを早く白くしたいときほど、ここへ手が伸びます。
すすぎは十分に行います。特に白い靴では、すすぎが足りないとシミまたは黄変の原因になるとされています。洗剤を残したまま乾かすと、洗う前より黄色く見えることがあります。 布に残ったものが黄ばみに変わる仕組みは白シャツの黄ばみと共通します。
色の濃い靴は、単独で洗ってください。コンバースは、濃色素材と天然皮革を使った靴が多少色落ちすることがあり、衣類への色移りに気をつけるよう書いています。
乾かし方で仕上がりが変わる

洗い終わったら、すぐ取り出します。濡れたまま槽に置くと、においやカビの原因になります。
乾燥機は使いません。アクアは、家庭用の乾燥機が回転して乾かすため型崩れの原因になると説明しています。コンバースも、直射日光やストーブ、乾燥機で乾かすと変形、縮み、変色、変質を起こす原因になるとしています。
一方で、機種によっては靴を乾かせるコースがあります。日立は、ドラムの回転とヒーターを止めて風で乾かす静止乾燥コースを挙げています。熱による変形が軽くなるためです。消臭除菌コースや除菌清潔コースを挙げている機種もあります。搭載しているかどうかは取扱説明書で確かめてください。
干す場所は、風通しのよい日陰です。直射日光は色落ちの原因になります。靴の中に新聞紙を詰めて立てかけると、水分が抜けやすくなります。
形を保ったまま湿気を抜きたいなら、木製の型を入れておく手もあります。紙を何度も替える手間が減ります。
乾き切る前に履くと、内側に湿気を残したまま靴箱へ戻ることになります。しまう前に乾かし切るという順番は衣替えをやりたくないにも共通します。
洗濯機を使わない側の選び方

素材が洗えない側に入った1足でも、汚れたまま履き続ける形にはなりません。出口は3つあります。
1つ目は、手で洗うことです。コンバースが示しているのは、熱湯を避けて温水(40℃以下)か常温水でブラシを使い、軽く洗う方法になります。洗濯機より布への当たりが弱く、力の加減を自分で決められます。
2つ目は、靴専用の機械がある店を使うことです。靴用の洗濯機を置いているコインランドリーがあります。家の槽に土や砂を入れずに済みます。
3つ目は、店に預けることです。天然皮革と起毛皮革はここに入ります。素材ごとに扱いが変わるため、素材を伝えてから出してください。
洗うより買い直すほうが早いと感じたときの選び方はオフィスカジュアルの靴にまとめました。
よくある質問
Q. スニーカーは洗濯機で洗ってもよいですか
素材によります。キャンバスやメッシュのような布と化繊なら、条件を整えれば洗える側に入ります。天然皮革と起毛皮革は、水洗いすると皮革の縮みや変色、硬化が起きるため避けてください。
ただし洗濯機は、靴メーカーが第一に勧める方法ではありません。コンバースはブラシで軽く洗う方法を示し、洗濯機を使うと繊維組織を傷つけることがあるとしています。
Q. 洗濯機で靴を洗うと何が起きますか
日立は、靴は重く洗濯槽の中で片寄が発生しやすいため、洗濯や脱水の途中で音が大きくなり、洗濯機や靴に傷が付くことがあると説明しています。そのため、洗濯機で靴を洗うことは推奨していないとしています。
土や砂が付いたまま入れると、比重の重い土砂が洗濯槽にたまって故障の原因になります。入れる前に払い落としてください。
Q. 靴を洗うときのコースはどれですか
ドライコースや弱水流コースのような、優しく洗えるコースです。靴洗いのコースが付いている機種なら、それを選んでください。標準コースは布と化繊の靴には強すぎます。
コースの名前は機種で違います。自分の洗濯機の取扱説明書で、靴が対象に入っているかを先に確かめてください。
Q. 靴と衣類を一緒に洗ってもよいですか
分けてください。袖やズボン、タオルのような細長いものが巻き付いて、靴が型崩れします。硬い靴底が衣類を傷めることもあります。靴だけで1回まわす形にします。
Q. 洗った靴を乾燥機に入れてもよいですか
家庭用の乾燥機は回転して乾かすため、型崩れの原因になります。高温で変形、縮み、変色が起きることもあります。
機種によっては、ドラムの回転とヒーターを止めて風で乾かす静止乾燥コースがあります。搭載しているかどうかは取扱説明書で確かめてください。
Q. 白いスニーカーが洗ったあとに黄ばみました
すすぎが足りていない可能性があります。特に白い靴では、すすぎが不十分だとシミまたは黄変の原因になるとされています。
もう一度すすいで、風通しのよい日陰で乾かしてください。漂白性の強い洗剤で戻そうとすると、変色や褪色の側へ進みます。
Q. 泥だらけの靴をそのまま入れてもよいですか
先に落としてください。日立は、土や砂は比重が重いため洗濯槽にたまって故障の原因になると説明しています。払い落とすか手洗いしてから入れるよう示されています。
泥の付き方がひどいときは、乾かしてからブラシで落とすほうが早く済みます。
まとめ
- 洗えるかどうかは、靴の種類ではなく素材で決まる
- キャンバスとメッシュは洗える側、天然皮革と起毛皮革は水洗いを避ける側に入る
- 洗濯機を使うと繊維組織を傷つけることがある、と靴メーカーは書いている
- 靴は重く片寄りやすいため、家電メーカーは洗濯機での靴洗いを推奨していない
- 土や砂は洗濯槽にたまって故障の原因になるため、入れる前に払い落とす
- 靴だけでまわし、大きさの合うネットに分けて入れる
- 乾燥機は使わず、風通しのよい日陰で乾かす
まず手元の1足の素材を確かめてください。判定はそこで終わります。
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参考・出典